想定の範囲外の9年目
術後5年を過ぎてからは、年1回の定期検診を受けていた
✿胸部レントゲン
✿胸部&腹部エコー
✿腫瘍マーカー検査
乳がんの再発は5年以内に多いと聞いてたので、その5年を過ぎるとがんに対する恐怖心が年々薄れてきつつあった
がんの原発巣をすっかり取りきった
リンパ転移もなかった
丸9年全く何ともなく、ママ吉の乳がんは寛解へ向かっていると、ぴょこも家族みんなも思っていた
日を改め、ママ吉は検査結果を主治医から聞いた
「ママ吉さん、レントゲンもエコーもマンモも異常は認められませんでした」
*******ここから想定の範囲外*******
「ただね、腫瘍マーカーが32.5と、基準値をちょっと超えたのね」
「がん以外の他の要因で上がることもあるので、日をおいて再検査しましょう」
今まで、脂肪肝とかコレステロールが高め、心臓肥大が少々見られるとかはあったが、腫瘍マーカーは初めてだ
「腫瘍マーカーが高くて、再検査になったよ」
報告するママ吉自身も、家族も全くオオゴトとは考えてなかった
今、花粉症気味だし、子宮脱気味だから炎症反応を起こしているのかも・・・
ネットで調べると、骨盤炎症性疾患にもCA15-3は反応すると書いてあるし
ところが!
2か月後に再検査をすると数値が減少するどころか、35.4と微増した
「ママ吉さん、念のため、もっと詳しい検査を受けましょう」
「PET検査という、全身のがんをいっぺんに調べられるのがあるんですよ」
「ただね、ここの病院にはなくて都内だと、これらの病院になります」
予期せぬ展開にアタマ真っ白なママ吉に、主治医がもう1つ提案した
「それか、2か月後に腫瘍マーカーを再々検査して、その数値で判断しましょうか?」
再発とも転移とも、ツユにも思っていないママ吉は第2案を選んで、診察室をでたそうな
広い待合室ホール
長椅子に座って、ママ吉は診察室でのやり取りをハンスウし、自分とココロの中の自分と相談会議を開いた
たった2週間でもどんどん数値が上がってきてた
2か月待っても、結果は同じなんじゃない?
がんならがん、異常なしなら異常なしのはず
お会計に呼ばれた時には、ママ吉のココロが決まったようだ
「あの、1度先生にお返事してしまったんですが、今からそのPET検査へ変更できますか?(!!!)」
事務のお姉さんは突然の申し出に困ったと思うけれど、うまく繋げて下さったようで、PET病院への紹介状を手に帰路についた
これでいいんだ
向かっていかなきゃ