腫瘍内科へ転科か悩むが
乳がん転移患者としての外来2回目のスケジュール
①乳腺科受診
②歯科受診←NEW!
乳腺科はいつも混んでいる
予約時間過ぎて1時間で呼ばれたら早いほう
老人施設/病院からの受診なんだろうか?
待ちくたびれているお年寄りを、付添いのスタッフがなだめている姿も見えた
わかる
それに、本当に状態が悪くなったら、果たして待てる気力があるか不安だ
すると、受付の方が気を利かせて、乳腺科待ち時間に歯科受診できるようユウズウしてくれた
*
”歯科・口腔外科”だと思っていたら、”特殊歯科・口腔外科”だった
平たくいうと、虫歯・入れ歯治療以外のことを診ているらしい
街中の歯医者さんで診ない分野をカバーする
ママ吉は、先月から骨転移の分子標的薬ランマークを開始した
その副作用の1つに、あごの骨の壊死がある
抜歯治療を未然に防ぎ、口腔内を清潔に保てるよう、定期検診が必要だそうな
うーん、やっぱり歯は大事なんだな
オトウト吉が心臓手術を受けた時も、同じようにまず歯科受診が必須だった
口腔内の細菌がいると、心臓にワルい影響をもたらす、と
ママ吉は前歯が6本 25年物の差し歯(当時40数万)で、ここ数年検診を受けていなかった
ひさびさの受診は冷や汗ものだったようだ
「あー、よかったー大丈夫だって✿」
晴れやかな顔で診察室から出てきた
ブラッシング指導で、持参のごくごく普通の歯ブラシでは大きいと言われたらしい
院内の売店で、おススメのタフトブラシと、赤ちゃん用か?と勘違いするような小ぶりヘッドの歯ブラシ2点を買った
確かにいい
歯の裏の裏までリーチ!細かく磨ける
今度、家族分も買おう
*
「ぴょこちゃん、今日はママ1人で診察はダイジョウブだから」
ママ吉の診療番号が表示されると、ひとりで入った
*
ママ吉とぴょこは、悩んでいた
前回、先生からコンサルを勧められた腫瘍内科へ転科した方がいいかどうかという問題
「乳腺科って、やっぱりこれから積極的治療のするヒトの科よねぇ」
「乳腺科は、(乳)がんだけの治療とも限らないよね」
「この病院のHPみて、ママはもう緩和・延命治療だから、腫瘍内科のほうがいいんじゃないかな」
「先生に相談してみるわ」
*
「先生はギリギリまで、ママ吉を診る気持でいるみたいだわ」
待合ホールで戻り、開口一番そう言った
「腫瘍内科へ転科してもいいが、今はどのみち同じ治療内容になる」
「腫瘍内科は、抗がん剤などが必要になった時でいいのではないか」
たぶん、カンファレンスかなんかで話し合ったんじゃないかな
前回、先生は院内PHSで腫瘍内科の先生とコンタクトを取ろうとしていたから
よし、悩みは一つ片付いたぞ
*
いや、まだ注射があった汗
初回注射のアレもあったので、目は閉じながらも耳ダンボで待つ
「ムスメさん~」
ハッ!?
奇遇にも、前回と同じあの看護師さん
「フェソロデックス、1本目は無事終わりまして・・・」
まして?(泣)
「2本目で気持が悪くなってしまって、今、半分で中断しているんです」
え~~~!!!
「おにぎり、持ってらっしゃいますよね?」
ん?
「空腹みたいなので、ちょっと食べたら落ち着くかなと・・・」
ママ吉がどうもすみません大汗
処置室へ行くと、またもや診察台の端にママ吉はちょこんと座っていた
クチビルをへの字にして、またも目を赤くしてこう言った
「もうやだ、みんなに迷惑かけるばかりで」
消毒のにおいが残るへやで、ふたりで1つづアルミホイルを開いて頬張った
半分食べると気持が落ち着いたようで、ママ吉は注射を再開お願いした
「1本目は横向き、2本目はうつぶせだったので、体位もあるかもしれません
2本目もアタマを反対にして、横向き体勢でしてみましょうか」
すると、すーっと残り半分難なく入った
看護師さん、前回・今回本当にありがとうございます(泣)
*
ママ吉殿
フェソロデックス注意事項
①空腹は避けるべし
②横向き体位で受けるべし
今後は、これで臨むなり
フェソロデックスの副作用に「涙腺崩壊」もあるのかいな・・・
*
かれこれ4時間は病院にいた
気力体力摩耗したのか?
・・・最後に地元駅でやらかしてしもうた
「乗り換え口で、回数券とるの忘れてた!(大汗)」
「あ、ママも!Suicaタッチしたら、回数券のこと忘れたわ」
トホホ
インターホンで事情をはなし、駅事務所へ向かった
5分程待ち、(交通費節約の為に回数券を買ったケド)ミスした私たちが悪いので支払う旨を駅員さんに伝えた
受話器片手に、さわやかイケメン駅員さんが言った
「確認がとれましたよ!乗り換え改札に回数券2枚ありました」
恐縮しつつ、お礼を述べて事務所をでた
改札機横並びに1枚ずつピコーンって、出ていたんだろうな
「顔がよく似た、あほな親子だなと思われているよ」
なぜか小さな笑いがツギツギ込み上げてきて、それまでの重い気持を振り払うように駅舎を後にした