初めての検査、初めてみるもの
その日は晴れて、暑い、夏らしい日だった
PET検査の病院は、複数ある最寄駅から遠い場所であった
ママ吉は朝から絶食
体力温存のため、タクシーで向かうことにした
ここ数年で、新しく建て替えられたのかな?
比較的キレイな病院でちょっと安心
PET検査外来の入り口は、一般外来とは別
木目調の隠れ家ホテルみたいな入り口、ホテルみたいなカウンターにコンシェルジュ風の受付のお姉さんがいた
さらにお姉さん曰く、最寄駅への往復タクシー代は病院もちだという!!
セ、セレブな対応だな
・・・だんだんママ吉と心配になってきた
主治医の指示で検査するんだから、健康保険の適用になるよね汗
平成22年から”悪性腫瘍で他の検査で転移・再発の診断が確定できない患者に保険適用が拡大された”って情報をみたよね汗
検診で自費診療だと10万超えるんだけれど、さすがに高額な検査費用は予め言われるよね汗
「なんかあったら、カードで払うからダイジョウブ」
検査前のママ吉に動揺させてしまってはならぬ、ならぬ
*
30名くらいが入るこじんまりした待合室の一番後ろの角を陣取り、ぐるっと見渡してみた
検査に来ていたのは、大体40代~70代くらいの男女
みんな、がん患者か、がん疑いなんだろうか
それぞれ付き添いがきてるから、健診じゃなさそうだ
*
ママ吉は検査着に着替え、待合室に戻ってくる途中で問診に呼ばれた
ムスメも来ているといったらしく、一緒にどうぞと言われた
問診ははじめ看護士さん、そのあと放射線科Drによって行われた
病歴、治療歴、アレルギーなどなど
ママ吉は、検査がニガテ、ビクビクしちゃう
「MRIやCTの造影剤で、カァ~っとなって気持ち悪くなったことがあるので、この検査もちょっとシンパイなんです・・・」
「確かに、造影剤で気分悪くなる方もいますが、このPETの薬剤は造影剤とは違うんですよ、砂糖水みたいなものなんです」
化粧気のない質実そうな、いかにも女医さんらしい(?)、中央官庁の役職付の職員にもこんなカンジの方がいそうだなー、というベテランぽい先生
「他に、気になる事はありますか?」
「実は、咳・くしゃみをすると臓器が出てくるんです」
ぶっ、今ここで、初めて会った先生にいきなりの告白
あんなに言っても仕方ないから言わない、弱みを見せたくないって言ってたのに
ちょっと咳がでるから心配だったし、女性の先生だからするっと出たと後でママ吉が言ってたが
PET画像で、咳で動いて正確に映らない+子宮脱が映る心配もしてたのかな・・・そうかそうか
*
診察室からママ吉は、PET検査センターと書かれた扉のほうへ向かった
右手にはこれから飲まなきゃいけない500mlのペットボトルの水
左手には、ロッカーの鍵、呼び出し用に持たされたPHSと私物が入った患者用巾着
これから、①薬剤を点滴して1時間安静
②薬剤を出すため、排尿
③撮影に30分
追加の撮影をすることもあり、2時間かかると説明された
PET検査の付き添い経験者の方に、とにかく時間が長いから時間潰せるものを持参することを勧められた
ぴょこチョイスは「本」「紙とペン」「軽いヨガ」
本は、ブログをはじめる人向けの指南書
さらさらっと読んで、座りながらヨガの呼吸と座ってできるストレッチ
1番時間が潰せたのは、紙とペン
絵を描くのがお好きでしたら、おススメ
テレビで映っているものを描写したり、見ないで有名キャラを描いたり
その内、あ、今日の検査を描けばいいじゃん、家族に説明しやすいじゃん
何枚か描いたうちの1枚が、告白場面のこの絵です☟
こう使うとは予想だにせず、裏紙にサラサラ描いたから裏写りしてたりする
そうこうするうちに、着替え終わったママ吉が戻ってきた
気持ち悪くもならなかったし、咳もほぼ出なかったそう
「検査前におしっこちゃんと出た?」(←子宮脱で出にくいこと多し)
「出たよ」
「撮り直ししてた?」
「なかったと思うよ」
「じゃ、気になるところはなかったのかな」
はい、今思うと、極めて楽天的にとらえてました(泣)
でも、分からないのにおびえても仕方ない
お会計は、無事に保険適用で計算され、約3万円の自己負担で済んだ
(いや、決して安くはないです)
帰りは、セレブ気分でタクシーチケットを使用(結構かかった)
病院最寄駅からは魔法が解けて庶民に戻り、電車と徒歩で帰宅の途についた
暑さでやられ、もうぐったり
*
検査後、半日くらいは微量の放射線が残るそうで、ママ吉は自分をソフト幽閉
ワタシ、コドモでもニンプでもないから無問題なのに
母の愛ですかね❤
それと、ママ吉だけかもしれないですが、便にも影響が出た様子
「ぴょこちゃん、やっぱり放射能ってこわいね」
「さっき、迷彩色のうんちがでて、今は黒いよ」
産まれて初めて見た色だったみたい
結果は、2週間後
主治医の診察を受けることになっていた