❤乳がん4ママ+膵がん3パパとのつれづれ日記❤

~乳がん骨肺肝転移の母と膵がん治療不可父とヨガ好きアラフォーぴょこ~2019年1月より両親ともがんに・・・

【膵がん余命1か月】29日目 ②サイゴの家族4人の時間

泊まるかどうか・・・

 

昼食が運ばれてきた

パピィに出すか迷ってたみたい

 

確かに食べられないよなぁ

でも、酸素吸入で唇やのどが渇いているかも?

看護師さんが脱脂綿にほうじ茶を含ませ

パピィの唇や歯を濡らした

パピィの口がもぞもぞ動いた

 

これが、サイゴの食事になった

 

酸素マスクをズラして

パピィの唇にタップリ、ぴょこ愛用のリップ美容液を塗る

ぴょこの素ユビにのせて丁寧にヌリヌリ

あー、病気じゃなかったら

死にそうじゃなかったら

ゼッタイやんないなぁ

テラテラになったパピィの唇

これで、酸素吸入の乾燥から守られそうだ

 

2:00pm

突然、埼玉に住むパピィ姉が面会に来た

お姉さんを目で追い

問いかけにうなずいたりもしたが

大半は眠っていた

パピィ姉が顔を微笑みながらのぞき込む

「良く眠ってる」

 

本当は

本当は、それがスヤスヤ寝てるのではなく意識低下で

死期が迫ってきているのを察していたと思う

3週間前に面会に来た時とは

全然様子が違うパピィ

 

談話室へ移動

このタイミングで面会にきてくれて助かった

兄弟に余命1か月というのは伝えてあったが

最終的にどの段階で連絡したら良いか迷っていた

そして、葬儀の確認もできた

-ごく身内だけの家族葬

-告別式のみ

-お布施の金額

-戒名はどうするか

-葬儀会場の場所

 

まだ、パピィは息をしていて

モウロウとしながらもうなづいたりはできる

だから、まだピンとこなかったけれど

・・・でも、後々困るしな

 

「またね・・・」

パピィ姉は弟にサイゴの挨拶をした

 

3:45pm

再び家族4人の時間

手を握ったり、足をもんだり、話しかけたり

貸し出された簡易ベッドに交替で横になる

椅子に座り、曇り空を眺めながら

喪主挨拶の下書きをしたりもした

 

今夜は誰が病室で付き添おうか?

「オイラ、泊まるよ」

オトウト吉が名乗り出た

 

必要物品の買い出しから戻ったオトウト吉

どーんとコンビニ袋2つ分

チキン、唐揚げ、とろろそば、おにぎり、ジュース・・・

おいおい

お泊り保育じゃなくてよ

でも、確かにこの時はまだ切羽つまってなかった

 

6:00pm

「パピィー」

「あ”ー」

パピィは口呼吸の合間に返事をし、うなづいてくれた

ぴょこの記録では

これがパピィとのサイゴの会話になってしまった

 

スーーーーーーー

オキシメーターをつけた右手が外へ開き

ベッド柵で止まった

丁度、パピィの右側の簡易ベッドにいたぴょこ

そっと手を握ってみる

ひんやり冷たい

でも湿っぽい

この右手でペンを握り、40数年家族を養ってきた

脳梗塞で右手がやられたとき

さぞ無念だったろう

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  パピィが大学合格祝いにくれた時計をして

 

夕食がドア口まで運ばれかかったが

バイタルを取りに来た看護師さんが手を上げて止めた

 

心拍数:99

血 圧:77/46

SpO2 :92

呼吸数:22

尿は、昨日4:00pmに少量出たのが最後らしい

 

6:35pm

「また明日朝来るね」

「オトウト吉が今夜一緒にいるよ」

簡易ベッドに横になってるオトウト吉

パピィはオトウト吉のいる方向へ首をゆっくり動かした

状況は分かっているみたいだった

 

よし

明日朝早く来て、オトウト吉と交替しよう

ママ吉も休めなきゃいけないな

救急搬送からの余命宣告

心身共にすり減る激動のひと月

 

帰り際、ママ吉が夜勤の看護師さんに声かける

「もう、昨日お別れの挨拶もできて、覚悟もしているから

例え、サイゴに立ち会えなくても大丈夫です

今夜はムスコが泊まります」

 

もし、あと4時間半のイノチと知っていたら-----

 

うー

タラレバ論言っても仕方ないけどさ