❤乳がん4ママ+膵がん3パパとのつれづれ日記❤

~乳がん骨肺肝転移の母と膵がん治療不可父とヨガ好きアラフォーぴょこ~2019年1月より両親ともがんに・・・

【膵がん余命1か月】29日目③ 旅立ち

痛み、苦痛、不安からの解放

 

19:15

ママ吉とぴょこ、病院より帰宅

明日、早朝病院へ行く準備をする

 

20:45

ママ吉が入浴すませ、寝た後に

病院で泊まり込んでいるオトウト吉からLINEが

「ぴょこにしか送らないけれど、血圧も今までで一番低いのがでた」

「いつ、急変してもおかしくない

   早く明日の準備をして寝てね」

「吸引したけれど、痰は全く出ず

 呼吸が苦しくなってきたから、酸素レベル5(5L?)に上げた」

「吸引は鼻の両穴から棒を入れていじいじ

 口からもいじいじです」(どんな表現だ・・・)

「苦しそうな顔や呼吸になったら、看護師さんを呼ぶことになってる」

「ほぼ、赤アラーム鳴りっぱなし」

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21:30

隣の部屋で寝ているママ吉に伝えるか迷ったが

-血圧の上が70台に戻った

-オトウト吉もこれから寝る

という事だったので止めといた

 

21:49

「血圧はあれから計っていないよ」

ぴょことオトウト吉のラインはここで終わっている

これから、旅立ちまで

ぴょこにとり1時間強の静寂な時間となった

パピィの顔、酸素のポコポコ、アラーム音

死んだらどうするか

いろんなことが頭に浮かんだりして

ベッドに横になるも、眠れない

 

その頃、病院では看護師さんが10~30分ごとに見回り

パピィの様子を見ながら吸引や処置をしてくださったようだ

 

23:00すぎ

ママ吉部屋から殺気立った声が聞こえた

「何?はっきり言ってよ!え?」

「ママも、行かなきゃダメ?」

ママ吉は混乱している様子だった

看護師さんが、パピィのモニター数値の異常を発見

当直医師が駆けつけたよう

”あー、数字がだんだんなくなるよー”

電話越し、涙声のオトウト吉の声

ココで一旦電話は切れた

 

身支度を始めるママ吉とぴょこ

 

再び、オトウト吉から電話

「パピィ、23:07だって・・・」

 

苦しむこともなく

すーっと眠るような

自然なサイゴだったそう

 

オトウト吉は駆けつけた当直医に聞かれた

「延命治療は希望しますか?」

断ったそうな

賛成

パピィは突然死でも事故でもなく・・・

短いけれど、がんと闘ってきたもん

安らかにいかせてあげたい

家族は死を受け入れる心構えができていたってことになるのかな

いや、71歳じゃ若いけどさ

 

 23:45

ママ吉とぴょこは、薄暗く静まりかえった病棟へ

パピィ部屋からは明かりが漏れてる

急変の知らせで今朝は走って向かったけれど

もう、パピィはいない

静かに深呼吸をして向かう

 

パピィを囲んで、看護師さんとオトウト吉がいた

看護師さんは、パピィの顔に薄化粧を施している最中だった

上下キレイなパジャマに着替えたパピィ

昨日、ぴょこが寝ているパピィの髪をバリカンで切り

4枚刃で念入りにひげを剃ったばかり

こざっばりしてとても長く闘病していた風には見えん

 

パピィの手が胸元で組まれている

「パピィ・・・まだ、温かいや」

ママ吉に促され、ぴょこも触る

ホントだ、ほんのり温かい・・・

寝ているみたい

 

看護師さんは深々頭を下げていった

「すっーと深い眠りに入っていくような

 穏やかな最期でした・・・」

良かった

痛みや苦しみ、倦怠感から解放されたね

 

この1週間で、ガクンと衰えた

特に、死の6~5日前は辛そうだった

”身の置き所のないツラさ”と表現するみたいで

 

「終わり。終わり。もう、終わり。」

 

パピィは大きな声で唸っていた

3日前にはポツリ

「早く、自宅へ帰りたい」とも

 

早く終わりにしたい

この苦しみから解放され、安心できる場所へ行きたい

そういう意味だったかもしれん

 

パピィ、安らかになれたね

ありがとう

 

あ、そうだ

ママ吉、オトウト吉、ぴょこはナミダが滲んだけれど

「アナタァー」「トーサーン」

ドラマのように、ナキガラの上に覆いかぶさったり

泣き崩れたりはしなかったな

手にそっとふれて

「パピィ、今までありがとう」

そう言ったのみ

 

あん時、帰んなきゃ看取れたなー

もっと優しくしてあげればよかった

がん発覚前に気づいてあげられなかった・・・

いろんな反省は浮かんでくるけれど

 

いろんな想いを凝縮して

サイゴに出てくるのはこの言葉になるもんだな

「ありがとう」