えっ、看護師さんじゃないの?
夜勤看護師さんによってエンゼルケア(死後の処置)をして頂いたパピィ
今は、鼻や耳に詰め物しないんだね
おじいちゃんときは、キツくギューギュー詰めたよなぁ
「解剖は希望されますか?
詳しい死因などが分かりますけど・・・」
解剖かぁ
うーむ
パピィは突然死じゃないし
『すい臓がん+がんによる脳梗塞』関連の死だろうし
救急搬送で初めてお世話になった病院で
余命1か月ということで保存的治療しかしとらんし
解剖は断った
すると
「看護師はココまででして・・・
霊安室へのご案内は専門のモノが担当になります
それと、葬儀社はお決まりですか?
深夜なので、(遺体安置の)お時間は気になさらずに」
しばらくすると、白衣を着た二人組が現れた
40代と60代半ばの男性
チビとノッポ
ぽっちゃりとヤセ
アキバ系と医者か教授に見える風貌
「・・・この度はご愁傷さまで・・・」
40代のアキバ系の方が挨拶をし、指揮をとった
エレベーター脇の院内案内板に白いテープが貼ってある文字
地下1階の何か
前に気になって目を凝らして見たことあったけれど
『霊安室』
なんだよね
消したのは、患者さんへの配慮なのかぁ?
でも、病院に霊安室があるのはさ
皆知ってるし
なんでだろう
白布も被せず顔丸出しのパピィ
ストレッチャーに乗り換え
一般用のエレベーター向かいのエレベーターから乗る
フツ―に搬送中に見えなくもない
地下1階につき、奥の奥へ
霊安室はどの宗派でもないニュートラルなお花の飾ってある場所だった
アキバさんに促されて家族もパピィに一礼
控室で死亡診断書を記入する
「葬儀社はもう、お決まりですか」
決まってる
予め相談にもいってる
・・・5日前にママ吉が
ってことはやっぱり、週初めからパピィは一段と悪くなってたんだな
アキバさんが聞き取りしてボードに書き込む
ボード裏に○○葬祭みたなシールが貼ってあったから
聞いたことない社名だけれど
どうやら霊安室へ遺体を運ぶ専門のモノは
葬儀社のヒトたちみたいだ
夜勤で待機していて
呼び出されて駆けつけたってトコかなー
ってことは
葬儀社のアテがなければ、”ウチで”で顧客GET
アテがあれば・・・
手数料くらいはもらえるのかな
じゃなきゃ割があわんよね
いつ、呼ばれるかわかんないし
いつも神妙な顔でいなきゃいけないし
知らない遺体を運ばなきゃいけないし
地下の霊安室では電波が悪く
重い鉄扉を開け、外から葬儀社へかけた
病院の外も空調やらなんやらの音がいろいろして通じにくく
やりとりに時間がかかったが
最終的には相談していた担当者の名前をだすと通じた様子
30-40分で霊柩車が到着した
忙しい中申し訳ないのに夜勤の看護師さんたちも見送ってくださった
深夜なので
-パピィは葬儀社の霊安室(冷蔵庫)
-ぴょこたちは自宅へ帰った
帰宅時刻 1:30am
パピィが旅立ってわずか2時間半
悲しいやら、なんやらもうヨレヨレクタクタ
亡くなってからが手続きやら連絡やらで忙しく
もうすぐ49日だっていうのに
まだ片付いていない
それにしても霊安室へ運ぶシゴトの方々は
移送専門なのかなぁ
ネットでそれらしき書き込みがあって
深夜6時間勤務 日当1万円
シゴトの公の募集はなく、紹介がフツウらしいが