新聞スクラップ By ママ吉
部屋のドアを開け
トレンチコートをぽんと机に投げた
あれ?(๑°ㅁ°๑)
なんか紙がある
手に取ると、新聞の切り抜きのコピーだった
”「共存」時代 報じ方課題”
今日の朝日新聞の記事
ママ吉によって日付の記入やアンダーラインがひかれていた
夕食作りの時間も押していたが
とりあえず、ベッドに寝転んで目を通した
日本医科大学武蔵小杉病院
がん薬物療法専門医
勝俣範之先生への取材記事だ
ママ吉が乳がんになって10年
そして、転移発覚して1年弱
ジブンが常々思っていることを
スパッと書いてくれたと感動したらしい
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①『がんになったら終わりじゃない』ってこと
メディアでのがんの報じ方が「治る」「治らない」の2つに押し込まれていること
◆早期発見できて良かった
◆進行がんで治らず、壮絶な死をとげた
しかし、昨今、がんの治療が進化し
この2つの間の”がんと『共存』”している患者が増えている
②『早期発見 早期治療が大事』と言い過ぎ
実際にそれで治るがんは一部のみ
生活習慣病が原因のがんも一部のみ
がんは、誰にでもなる可能性があり
共存することになる人が多い病気である
メディアには、がんは共存できる病気だと広く伝えるとともに、
「がんと共存する人々をどう支えるか」という問題提起をしてほしい
(TVディレクターに視聴率が取りにくい、といわれたそう
視聴者も賢くならなきゃ、だな)
③患者には『効果があるかはっきりしない情報』が押し寄せる
怪しい治療に医者が関わっていることは大きな問題
日本では、医者が自由診療で何をしても違反にはならない
(何をしても・・・とな)
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ママ吉の乳がん
初発時は、ジブンを奮い立たせて闘病した
ステージ2
転移もなく、悪性度も高くないがん
全摘すれば・・・
ホルモン剤をのみきれば・・・
”治る”という希望があった
遠隔転移発覚時は、死を大きく意識した
多発性肺・肝・骨・リンパ転移
カラダの中の、見えない無数の敵
「生活習慣を改めた方がいいんでないの?」
「もっと早くわからなかったの?」
親しいヒトたちは、シンパイして聞いてくる
でも、いまさらジローなんだよ
責めのコトバにしかきこえんもんな
初発発覚時の2年前だってさ
ママ吉は右胸に違和感を感じ
それを告げたうえで、乳がん検診を受けたけどさ
問題なしだったし
だから、検診だって万全じゃないんだよ
早期だからダイジョウブ
悪性度が低いからダイジョウブ
若くないからダイジョウブ
ヒトリヒトリ違う病状
患者がどんな経過をたどっていくか
はっきりいって医者だって100%はわからないよね
んで
ママ吉が負担に感じたのは、良さげなものを次々頂くこと
食べ物、サプリ、ジュース、ジェル・・・
ご厚意からだから、試さないわけにもいかず
でも、そんなにいろいろTRYできず・・・
高価なものもあり
効果がでなかったりなんなりすると
心苦しいよーな・・・
あと、ぴょこにもきたな、祈祷関連(遠い目)
ママ吉の友だちに腫瘍内科のナースがいる
彼女は、ママ吉が転移してしばらくした後、こう聞いてきたそうな
「なにかしてほしいことある?」
ママ吉:いまは特になにもない
「逆にしてほしくないことある?」
ママ吉:静かにフツ―の生活を送りたい
この2つ目の質問はなるほどな、と思った
✿
夕食を終え、ソファーでゴロゴロしていると
ママ吉が隣に腰かけた
ぴょこの手をなで、いたずらっぽく笑っていった
「あと、25年生きちゃってもいい?」
この勝俣先生の診ている乳がんステージ4の患者さん
遠隔転移を経て25年間、抗がん剤治療を続け
シゴトもしているそうな(進行形)
どこの遠隔転移かな
内臓転移もあるのかな
分かぬが、とても励みになる
『がんで死ぬというのは、突然がんによって死ぬのではなくて
少しずつがんでむしばまれたトコロが死んでいくイメージ』
みたいな表現をどこかで目にした
がん細胞とはいえ、もともとはジブンの細胞
ママ吉やパピィの体内で
それぞれ仲良く
うまく共存していってほしい
(*´・ω・)(・ω・`*)